遺産分割に参加するのは誰か
遺産分割に参加するのは相続人及び包括遺贈を受けた者です。包括遺贈とは、「財産の●分の●を▲▲に遺贈する」といった遺言によって、割合的に相続財産を取得した者をいいます。相続人以外の第三者が遺産分割に参加するのは、包括遺贈を受けた場合と相続人から相続分を譲り受けた場合だけです。
遺産分割協議には、相続人(包括受遺者と相続分譲受人を含む)の全員が参加しなければなりません。一部の相続人を欠いたまま行った遺産分割は無効です。逆に相続人でない者を遺産分割に含めた場合も無効となります。
1.相続人に未成者がいる場合
未成年の子が相続人の場合、遺産分割協議に参加してもよいのでしょうか。未成年者は遺産分割協議に参加できませんので、代わりに親権者が参加することになります。
もっとも、親権者も相続人である場合があります。このような状況では親権者の取得額が大きくなると子の取得額が小さくなる、という利益相反状況になりますので親権者は子に代理して遺産分割協議に参加することはできません。この場合は家庭裁判所に特別代理人の申し立てを行い、親権者とは別個に特別代理人を選任してもらいます。親権者は自身の相続人としての資格で分割に参加します。
2.相続人に認知症を患う者がいる場合
相続人が高齢で判断能力が低下している場合はどうでしょうか。この場合、すでに後見人が付いているのであれば後見人が遺産分割協議に参加します。後見人が付いていない場合は、まず、後見開始の申し立てを行って後見人を付ける必要があります。後見人も相続人である場合には、未成年者の場合と同様に特別代理人を選任してもらいます。
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